2017年12月23日土曜日

親子逆転もまた楽し!

T家宅 クリスマスゲーム会


京のボードゲーム会でいつもご一緒している、Tさんのお宅で開かれたプライベートゲーム会に参加。T家の皆さんと私、同じく京都でご一緒しているOさん親子、そしてT家のお子さんのお友達…等、出入りを交えながら、5人~7人で色々なゲームを楽しんだ。

 ボードゲームで遊ぶことがほとんどだったが、トランプゲームもいくつかやったので、少し紹介。まず、今年色々な場所に持ち込んでプレイした、4人用ゲームのシャーフコップの5人バージョンである【シープスヘッド】を。ドイツで200年以上前から遊ばれているシャーフコップを、ドイツ移民がアメリカに持ち込んで変化させたのがシープスヘッドだ。基本的なルールは同じなのだが、5人の場合は2対3で戦うゲームになり、それに併せてルールも少し変えられ、2対2より緊張感のあるバランスのゲームになっていて、とても面白い。

 QとJ全てが切札という変則ゲームなので、今回も分かりやすいように切札に赤いシールを貼ったものを持参。しかしT家ではよくトランプのナポレオンが遊ばれているせいか、すんなりとルールを理解してくれた。それどころか、最初のラウンドから娘さんが「お父ちゃん、私ら連合軍やから得点札つけてよ」とか、息子さんが「さっきの場面では、高目の切り札を出すべきやった」等と、すぐに戦略を理解してプレイしていたので驚いた。さすがゲーマー家族、恐るべしだ。
 ゲーム中はとても真剣だが、ゲームの合間には冗談を言って笑いあったり、世間話で盛り上がり、家族の仲の良さを肌で感じることができた。そんな家族と一緒にゲームをしていると何をやっても楽しく感じる


 もう一つプレイしたトランプゲームは【スニーク】。Oさんが加わり6人でプレイ。スニークは私自身もまだ2度目のプレイなので、どうすれば良いのか手探りだったのだが、皆でわいわい言いながらプレイしていくうちに「あ、ここは『どうどう』で勝負した方が得や」とか「これやったら『こそこそ』でみんなを誘い出して大量得点や」等とゲームの戦略が分かってきて面白くなってくる。
 そして京都のゲーム会でもそうだが、こういうゲームはOさんがなぜか強い。ストレートで私が4-5と出せば、Oさんは5-6、ペアではあまり手札が溜まっていないのにK-Kで大量得点したりとか。もうほんまにかないまへん。2ディールやってOさんがダントツの勝利で幕。


 トランプ以外で、複数回遊んだのがSpot it!ドブル)。ご近所の娘さんの友人と遊んだり、お昼ご飯までの少しの時間にやったりと大活躍。私はどこにでも持って行くのだが、小さい子でもゲームの経験が少ない人でもすぐに理解できるルールで、人数も選ばず楽しめる良いゲームだ。


 また、今日のゲーム会で一番盛り上がったのはマジックメイズだったと思う。全員で分業してコマを動かす協力型ゲームで、子供世代(20才前後)3人とその親世代4人の合計7人でプレイした。反射神経が問われるゲームなので、指示を出すのは子供世代で、親達は「はいはい」とそれに従って動かそうと思うのだが、ミスが多くて笑いが絶えない。いつの間にか親子の立場が逆転していることに気づかされる良い(?)ゲームだと思った。


 それ以外に、魔法にかかったみたい、うみがめのスープ、ゲシェンク、クラウド9、お邪魔者、コードネームをプレイ。コードネームではなぜか「ブーメランパンツ」というキーワードで盛り上がってしまった。
 私にとっては今年最後のゲーム会。Tさんありがとう。また来年もよろしく!



2017年12月11日月曜日

Sneak(スニーク) パーレット作ブラフゲーム

「こそこそ」それとも「どうどう(堂々)」?

ポーカーのような手役で勝敗を争うゲーム。
「こそこそ」とカードを裏向きで勝負するか、「どうどう」と表向きで勝負するか?



 12月10日のトランプ会でプレイして面白かったので、紹介を兼ねてルールの訳を公開します。日本語での紹介は、インターネット上では初めてだと思います。訳の間違い等があればご指摘をお願いします。SNEAK(英語原文)

**更新履歴**************************
2017/12/11 公開
2017/12/20 「こそこそ」時の役なし複数札の扱いについての解釈変更
2017/12/20 チャレンジに負けた側の手札の扱いについての解釈変更
※上記2点の解釈について、パーレット作品にお詳しい黒宮公彦さんにアドバイスを頂きました。ありがとうございました。
2017/12/25 手札制限の枚数について追記
***********************************

※ここからルールの抄訳(ゲームをするのに必要と思うところのみ記述)。
 原文のSneakを「こそこそ」、Flauntを「どうどう」とする。

●2~7人用ゲーム

●カード
 2、3人の場合は52枚のトランプ1セット。
(強さの順は通常のA>K>Q>J……4>3>2)
 5人以上はトランプ2セット(104枚)
 4人の時は1セットか2セットお好みで。

●ディール
 ゲームの開始時に各プレイヤーに手札はない。ディーラーが良くシャッフルして、誰もが手の届く場所に裏向きに1つの山札として重ねて置く。

●プレイ
 ディーラの左隣から手番を始める。時計回りに進行する。
 手番にできることは次の3つの内の1つ。
1.山札の1番上から1枚引き、手札にする。1巡目にできることはこれだけ。
2.1枚以上を手札から裏向きに出す。これを「こそこそ」と呼ぶ。もし誰もチャレンジしなければ、勝ち。それらのカードを表向きにせずそのまま自分の得点の山札に置く。
3.1枚以上を手札から表向きに出す。これを「どうどう」と呼ぶ。もし誰もチャレンジしなければ、それらを自分の得点の山札に置く。
(チャレンジがあった場合は別記)

 注意:「こそこそ」でも「どうどう」でも、自分以外で最も多い手札を持っているプレイヤーの手札より多い数のカードを出すことはできない。例えば、自分以外誰一人として3枚以上の手札を持っていない場合に、3枚のカードを出すことはできない。
筆者注:3人プレイの場合、Aが4枚、Bが2枚、Cが5枚持っている場合、CはAの持っている4枚でのリードはできるが、5枚はできないということ。これ以降、手番で手札を出すことを「リード」と呼ぶ)

●カードの組合せ(コンボ)
 2枚以上のカードの組合せを「コンボ」と呼ぶ。同じランク、スート、連番等がある。コンボは同じカード枚数で争われる。
 ここから強い順番に記述する。
マッチ:2枚以上の同ランク(例;4-4、J-J-J、等)
ストレートフラッシュ:2枚以上で同スートの連番(Aは14としても1としても使える。A-K-Q..でもA-2-3..でも使える)
ストレート:2枚以上の連番で、同スートではないもの。(Aは上と同様に使える)
フラッシュ:2枚以上の同スートで、連番ではないもの

●「こそこそ」チャレンジ
 もし「こそこそ」(カードを伏せて)でリードされた場合、同じカード枚数を裏向きに出してチャレンジすることができる。チャレンジする人が出そろったら、リードプレイヤーから順番にカードをめくる。
・リードが1枚の場合はスートに関係なく、ランクの高いカードが勝つ。
・リードが複数の場合は、上記のコンボの強いものが勝つ。同じタイプのコンボの中ではランクの高さを上から1枚ずつ比べて勝負する。
筆者注:マッチとフラッシュなら、無条件でマッチの勝ち。どちらもフラッシュの場合、K-10-2とK-9-8を比べると2番目の10と9を比べるので10が勝つ。合計数で比べるのではない)

 どちらの場合でも、引き分けになったときは手番順の後のプレイヤーの勝ち。

筆者注役のない複数札(上記のコンボになっていない複数の札・いわゆる「ブタ」)の場合はどうするのか、英文でははっきり触れられていない。しかし禁止としていないので、役のない複数札を一種のコンボとみなし、ランクの高さを上から1枚ずつ比べて勝負すると解釈する。もちろんフラッシュ以上のコンボには無条件で負ける。)

●「どうどう」チャレンジ
 「どうどう」(カードを表向き)でリードされた場合、同じ枚数を表向きに出してチャレンジする。2人以上のチャレンジャーがいる場合は、同時にカードを表向きに出す。
・リードが1枚の場合は同スートで、ランクの高いカードが勝つ。
・リードが複数の場合は、リードと同じコンボの中で強さを比べる。

 注意:例えば、ストレートフラッシュがリードされた場合、よりランクの高いストレートフラッシュでしかチャレンジできない。(筆者注:リードされた別スートでも勝負できる)
 しかし、もしストレートかフラッシュがリードされた場合、それぞれストレートかフラッシュとしての価値しか認められない。つまりストレートフラッシュということには価値がない。(筆者注:K-10-2のフラッシュがリードされた場合、J-10-9のストレートフラッシュでは負けるということ)

 引き分けの場合は、上記と同じく手番順が後のプレイヤーが勝つ。

「こそこそ」「どうどう」どちらでも、勝者はその場に出されたカードの全てを自分の得点の山札に入れる
筆者注:英文ルールでは、勝った場合に獲得できるカードについて明記されていない。前回プレイした時は、負けたプレイヤーの札は捨て札にしたが、勝者が獲得する方が正しいのではという指摘を受けた。私もそちらの方が自然だし、テンポアップにつながるので良いと思い、上記の通りとした。)

●プレイの順番
 どのプレイヤーが勝っても、手番順は常に変わらず時計回りに移動する。勝者に手番が移るのではない。

●ゲームの終了
 山札の最後の一枚が引かれたら、そこからは常に「どうどう」でのリードでプレイが行なわれる。(筆者注:リードプレイヤーはパスできない)
 最後に1人だけ手札が残った場合は、その残った手札を自分の得点の山札に入れる。
 各プレイヤーの山札1枚につき、1点。それを記録する。
 ディーラーが左隣に移り、全てのカードをシャッフルし山札を作り、最初に戻る。

●終了条件
 トランプ1セットの時は100点、2セットの時は200点でゲーム終了。


とても面白いゲームでしたが、ちょっと問題点が。
 4ディールだけプレイした感想ですが、リードでカードを出して勝負するときは、山札から引けなく手札が増えないので、少し損をする感じがした。つまり勝負せずに、手札を増やし続ける方が強いのでは、という印象。実際には手札を残せば勝てるというゲームではないが、ゲームが膠着しがちになり面白さが半減する。
 そこで、手札枚数の制限を7枚としたが、バランスが良くなった気がする。手札枚数を制限するルールはオリジナルにはない。しかしチャレンジが多い方が面白いので、積極的にチャレンジするようにルールをアレンジした方が良いのではと思っている。
(追記)12/23に6人でやってみたところ、手札枚数の制限は5枚でも丁度良い感じだった。


 これを読んでプレイした方は、ご感想をいただければ嬉しくと思います。またゲームバランスを調整するための工夫があれば教えてください。ツイッターでも、このコメント欄でもかまいません。よろしくお願いします。

2017年12月10日日曜日

第5回賽翁会 インスタ映えを目指して

 5回目の賽翁会。前回は飛行機トラブルで帰国できずに不参加だった、とりっくまさんのリクエストで、いつもより短めの間隔(3週間)で開催。参加はとりっくまさん、ンヌさん、ンヌjr君と私の4人。
 最初はとりっくまさんが持ち込んだ【ウィッチズ(witches)】を。ウィッチズは当トランプ会でもお馴染みのハーツのリメイク版。52枚のトランプに8枚の特殊カードを加え、絵柄をファンタジー風にしたもの。Amigoのウィザードの姉妹品で、雰囲気も良く似ている。



 ルールはオリジナルのハーツに、失点が倍になる」「失点を軽減する」「スペードの失点を無効にする」「いつでも出せて最も弱い」等の効果を持つカードが8枚が加わっている特殊カードが増えた分、広く気配りをしなければならない。例えば「失点を軽減する」等の「得になるカード」は取っておくべきなのだが、最初はそこまで気が回らない。しかしンヌjr君は最初から、そのようなカードをしっかり取っていく。ルールの呑み込みが早い。
 それに引き替え、大人3人はうっかりと普通のハーツのようにプレイしていたので、「大人やねんから、もっと慎重に」とンヌjr君から突っ込まれることも。練習を2ディール、その後本番で4ディールをプレイ。3ディール目にとりっくまさんが全ての失点カードを取り、それによって他全員にマイナス点を押しつける「シュート・ザ・ムーン」を達成し、一気に勝利した。
(結果/とりっくま:-10 ンヌ:-33 自転車人:ー41 ンヌjr:ー58)

 賽翁会では、ゲームの合間のスイーツタイムも楽しみの1つ。今回はアンパン、シュークリーム、ドーナッツとなかなか贅沢なラインアップ。またそれらを食べる前には必ず、写真に撮り、「きゃー、おしゃれー」とかまるで「女子会」のような盛り上がり。エエおっさんが集まって、何してんねん? まあ、ほんまの「女子会」がどんなんかは知らんけどね。



 スイーツの後は【Sneak(スニーク)】を。スニークパーレット作のブラフゲームポーカーのように手役を比べるゲームだが、枚数を自由に決められたり、裏向きか表向きによって勝負方法が変わったり、とバラエティに富んだゲーム。実は、前日にパーレットのサイトを見て、「これは面白そう」と急遽、和訳を手書きして持ち込んだもので、もちろん全員初プレイ。
 しかし実際にプレイしてみると、ルールに明記されていない部分で疑問点が出てきたり、ゲームバランスが良くないと思われる点があって、その度に「ここはパスできない方が良い」とか「手札の枚数制限をした方が良い」等の意見が出てきて、さながら創作ゲームのテストプレイのようになってきた
 結局3ゲームのテストプレイをやり、続いて本番で3ゲームをプレイ。前半にやったバランス調整もあり、ゲームはとても面白く、盛り上がる。どちらかと言えば、私とンヌさんがこういうゲームでは熱くなり、どんどん勝負をする。ンヌjr君ととりっくまさんは慎重プレイだ。
 それでも、全員参加しての勝負もあり、白熱したゲームになった。例えば下写真だと、フラッシュよりペアの方が強く、ペアの中ではAAが最強なので、AAが勝っている。勝者はンヌjr君だ。



 テストプレイ時には、圧倒的に強かったンヌjr君をおさえて、とりっくまさんが粘り勝ち。私はちょこちょこと勝負をしすぎて最下位に。ここでも「慎重」がカギだったのかも。
 ゲームも面白かったが、「試行錯誤」しながらプレイするのも楽しかった。こういう時間が作れるのも、気心が知れたこのメンバーならではだと思った。
(結果/とりっくま:20 ンヌjr:16 ンヌ:14 自転車人:11) 

 最後はミニミゼールを。リンク先に詳しく書いたが、このゲームは何度かルールが変更されていて、今回は新・旧両方のルールでプレイすることに。そしてロット宣言のタイミングを新ルールで行うのも初めて。とはいえ、もう何度かプレイしてきたので、少しのルール変更による戸惑いはなく、すんなり遊ぶことができたように思う。



 私達の会では、ロット宣言(全トリックを取る宣言)を何人かが挑戦しているものの、これまで成功者はいない。そこで「ロット宣言の、最初の成功者になりたい」という気持ちを全員が持っている。今日も新旧合せて10ディールやったのだが、なんとそのうち半分がロット宣言という多さ。そして全員失敗という…。みんなもっと慎重になろう!
 それから、24枚と28枚の違いはそんなに大きく感じなかったが、28枚の方がトリック数が1つ多いために得点バリエーションが増える。そして、それによって取れる戦略が増えるので、28枚の方が良いのではないかという声が上がっていた。
(結果・24枚ルール/ンヌ:30 自転車人:25 とりっくま:24 ンヌjr:16)
(結果・28枚ルール/とりっくま:36 自転車人:31 ンヌjr:30 ンヌ:21)


 また、いつも同じトランプじゃインスタ映えしないということで、今日は多くの種類のトランプで遊んだ。マクドナルドの景品トランプやA5サイズの巨大トランプ、バイスクルのマルチカラー等、そして今回遊んだ全てのトランプがンヌさんの所有物だった。ついでにカードスタンドもンヌさんの手作り。ンヌさんに感謝!

 こんな感じで、第5回賽翁会も無事終了。12月後半はみんな忙しいということで、ちょっと早いが「みなさん良いお年を!」で別れた。来年もトランプを楽しみましょう!

2017年12月8日金曜日

あと出しロット宣言? ミニミゼール最新ルール紹介

(この文章はTrick-taking games Advent Calendar 2017の8日目の記事です) 
 文末にミニミゼールの新・旧ルール両方をまとめた、印刷用のサマリー(PDF)を用意しています。以下の本文と併せてお読み下さい。

♣ミニミゼールってどんなゲーム?

 ミニミゼールは、99(ナインティ―・ナイン)で有名なデビッド・パーレット作の、トランプ用トリックテイキングゲームだ。使用カード枚数は少なく、ルールも簡単。1ゲームを20分ほどの短時間で楽しめる、正にミニゲーム。
 勝ったトリック数に応じた配点があり、安全なのは全部負けることだが、1回だけ負けると高得点しかし全部勝ってしまうと0点になる一方、全部勝つと高得点になる「ロット」という宣言もある。手札の強弱にかかわらず、それなりに戦え、最後まで勝負の行方がわからないスリリングなゲームだ。

♣複数のルールがある?

 今年6月からスタートした「トランプを楽しむ会」で、初心者でも手軽に楽しめるゲームを探していたところ、「ザ・トランプゲーム」(1994年・草場純著・成美堂出版)という本で、ミニミゼールを見つけた。切札はなく、カード枚数が少ないので、トリテ入門にぴったりだと思った。
 さっそく7月の会でやってみようと思い、得点の早見表を作ることにした。ルールの再確認を兼ね、作者の英語サイト【Original card games】を覗いてみた。すると、基本的なルールは同じだが、使用カード枚数、点数等が違っていた。疑問に思い、ネットで調べてみると、やはり和訳と英語のルールが違っていることを指摘する人がいて、「誤訳?」「草場さんのアレンジ?」等といった推測の声も上がっていた。
 また【カードゲームルール集】というサイトで日本語ルールを発見。こちらは「ザ・トランプゲーム」と同内容のルールだった。ネット上で日本語ルールを掲載していたのはここだけだった。(注:当ブログ執筆現在は、【ゲームばっかりやってないで】に掲載がある)

 ルールの違いが気になったので、直接、草場純さんに使用カード枚数等の違いを質問したところ、以下の回答を頂いた。(※注:「この本」は「ザ・トランプゲーム」のこと)
 この本は1994年12月10日に上梓されました。もう23年も前になるのですね。今調べてみたらその通り、28枚のルールが書いてあります。そのまた元は1989年10月7日付けの赤桐さんのプリントです。28年前! ということで、少なくとも28年前の時点ではパーラットは28枚のルールを書いていたのでしょう。パーラットはよくこのようにルールを変えます。(私は24枚ルールを今初めて知りました。5人のときは25枚でやりますが。)

 そして、1989年の「赤桐氏訳のルール」と、なかよし村で(日本で)初めてミニミゼールがプレイされた様子が記録された同年12月の「寄合覚書」を送って下さった。どちらも貴重なもので、「寄合覚書」には当時の臨場感があふれていて、とても興味深かった。(下写真)
   1989年当時のパーレットの英文を確認することができないので、断定することはできないが、赤桐氏がカード枚数のような初歩的な部分を間違えるとは思えないので、「誤訳」である可能性は少ないと思う。また「アレンジ」でないこともはっきりしたので、草場さんが推測したように、パーレット自身によるルール改訂が行われ、ルールの違いが生まれたのだと思う。代表作である99は何度もルールが改訂されているので、これも同様なのだろう。

 誤訳等ではないことが分かったところで、次項から、新ルール(現在の作者サイト・英語ルール)と旧ルール(1989年の赤桐裕二氏訳・日本語ルール)を比較しながら、ミニミゼールのルールを説明する。新ルールの和訳は私が行った(これが一番当てにならないかも^^;)が、直訳では分かりづらかったり、説明不足だと思われるところには、私が加筆した。そうした部分等に ・ちょっと解説・ を加えている。尚、作者サイトでは3人用・6人用のルールも掲載されているが、今回は旧ルールと比較できる4人・5人用のみの説明とする。

♣新ルールの「ロット宣言」に注目!

 ミニミゼールのルールはシンプルだ。トリックテイキングの基本ルールを知っている人に対してなら、点数早見表(下写真・文末にPDFデータあり)を渡して、「切札なし、マストフォローのゲームです。ランクはAが最強で、それ以外は数字通りですが、2はリードに使われると最強です。取ったトリック数に応じて、各プレイヤーは手元の表の通りの点数を得ます。また、全トリックを勝つつもりなら、「ロット」を最初に宣言でき、表とは別の点が入ります。では、始めましょう」と、ほぼ1分程度のルール説明でゲームを始めることができる
   しかし、新・旧ルールの違い、人数による違いが少なからずあるので、ここから具体的にそれらを説明する。
 まず、私が一番重要な違いだと考える、ロット宣言を取り上げる。ロット宣言とは4人用・5人用共通で、ゲーム開始時に「全部のトリックに勝つ」と宣言することだ。その宣言のタイミングが新ルールと旧ルールでは異なっている

・ロット宣言(新)
 各プレイヤーは、最初のトリックのカードを出す時に「ロット」を宣言できる。
 宣言者が全部のトリックに勝てば成功。そうでなければ失敗。成功の場合は宣言者が、失敗の場合はその他のプレイヤーが別記の点数を得る。ロットが宣言された場合、これ以外で得点することはない。
(※人数等によって点数が違うので、それぞれ記述する)

・ロット宣言(旧) 
 プレイヤーは、最初のトリックのリードが行われる前に「ロット」を宣言できる
 複数のプレイヤーがロットの宣言を希望した場合、ディーラーの左に近い人が優先される。宣言者が全部のトリックに勝てば成功。そうでなければ失敗。成功の場合は宣言者が、失敗の場合はその他のプレイヤーが後述の点数を得る。ロットが宣言された場合、これ以外で得点することはない。

ちょっと解説1・
 旧ルールのロット宣言は、通常のトランプゲームのビッドのように、最初のトリックのリードが行われる前に宣言が可能だ。しかし新ルールでは、最初のトリックで自分がカードを出すときに宣言する。これにより、リードプレイヤー以外は、他のプレイヤーの出したカードを確認して宣言することができる。いわば、あと出し方式に変更されている。
 該当の英文は下記の通りだ。
 If you think you can win all five tricks you can bid "The Lot" upon playing to the first trick.
 upon ~ingは、~しながら、~するときに直ちにと訳せるので、直訳すると「もし5トリック全てを勝てると思うなら、最初のトリックをプレイしながら、ロットをビッドすることができる」となる。
 また、「宣言できるのは1人だけ」という英文はないのだが、実際には手番順に行われるために1人だけしか宣言できないので、旧ルールに対応するように追記した。
 旧ルールとの比較で最初は「1人だけ」を追記していたのだが、原文に人数の制限がないので、「1人だけ」を削除した。実際に複数が宣言することは考えにくいが、原文で禁止していないことを、わざわざ禁止することはないのではないかと考えたからだ。従って、複数の宣言も可能となる。失敗の場合の点数は必ず0と解釈する。

ちょっと解説2・
 私たちの会では、数回ミニミゼールを遊んでいるが、このルールに気付いたのはつい先日だ。前回遊んだ時に、「ロット宣言」が何度もトライされたが、全部失敗だった。それはそれで面白いのだが、「なんかルールがおかしいんちゃう?」と疑問を持ち、ルールを読み返して、上の英文を見つけた。
 旧ルールでは、最初のトリックのリードプレイヤーでなければ、ロット宣言を成功させることは難しい。なぜなら「2はリードに使うと最強」というルールにより、リードプレイヤーはAか2をリードすれば必ず勝つからだ。Aと2は24枚中8枚、つまり3枚に1枚の割合で入っているので、リード以外の宣言成功は難しい。しかし、新ルールでは自分の手番までロット宣言を隠しておけるので、1トリック目でロット宣言が失敗する確率が下がると予想される。

ちょっと解説3・
 ところで、こんなビッド形式のトランプゲームは他にあるのだろうか? トランプ以外では「ティチュー」というカードゲームで、同じ形式のビッド(小ティチュー宣言)があるが、他にこのようなビッドを行うゲームを私は知らない。こういうユニークさがパーレットの持ち味なんだろう。あっぱれパーレット!と言いたい。

 続いて、ロット宣言以外のルールについて説明する。重複を避けるため、プレイ方法等の共通部分の記述は1度のみとする。
4人ゲーム(新ルール)
使用カード… 24枚 各スートの A、K、Q、J、10、2
カードの強さ… A>K>Q>J>10>2 2をリードに使うと最強
・プレイ
 適当な方法でディーラーを決め、各プレイヤーに1枚ずつ、全てのカードを配る。
 以降、ディール毎にディーラーは左隣に移る。
 ディーラーの左隣が最初のトリックのリードを行う。
 時計回りで、順に、リードされたスートのカードを持っていれば、その中からカードを出す。
 持っていなければ、他のスートのカードを出す。
 リードされたスートで1番強いカードを出したプレイヤーが勝ち、次のリードを行う。
 また、このゲームに切り札はない
得点 ロット宣言成功は、宣言者に12点、失敗は他プレイヤーに各6点
    ロット宣言がなければ、取ったトリック数に応じて下記の得点がつく
 トリック数   0   1   2   3   4   5   6 
  点 数    6   1   2   3   8   10   0 
終了 誰かが25点に達したら1ゲームが終了する。
    最高点が同じならば決着がつくまでディールを続ける。

ちょっと解説4・
 英文ルールでは、使用カードにジョーカーを加え、25枚の表記になっている。しかし25枚の場合、配りきったあとに1枚のカードが残るが、それに関する記述はない。実は今回取り上げている2つのルールとは別のバージョンがあり、そこでジョーカーが使われていた。しかし最新ルールにサイトを更新する際に、そのジョーカーのルールを無くしたのにもかかわらず、使用カードでのジョーカーの表記を削除するのを忘れたのではないかと推測している。そのため、使用カードのジョーカーを除き、上記の24枚とした。

4人ゲーム(旧ルール)
使用カード… 28枚 各スートの A、K、Q、J、10、9、2
カードの強さ… A>K>Q>J>10>9>2 2をリードに使うと最強。
・プレイ(省略)
得点 ロット宣言成功は、宣言者に14点、失敗は他プレイヤーに各7点
    ロット宣言がなければ、取ったトリック数に応じて下記の得点がつく
 トリック数   0   1   2   3   4   5   6   7 
  点 数    7   1   2   3   8   10   12   0 
終了 31点

ちょっと解説5・
 4人ゲームは新・旧で使用カード枚数が違う。旧ルールの方が4枚多い。それに伴い、得点も違う。私は28枚でプレイしたことはないが、このルールでプレイしてきた草場さんは、28枚の方が面白いのでは、とコメント下さった。4枚の違いではあるが、選択肢が多い方がゲームに深みが出る、というのがその理由だ。ロット宣言の成功率も下がると思うので、やや上級者向けのゲームになるかもしれない。

5人ゲーム(新ルール)
使用カード… 25枚 各スートの A、K、Q、J、10、2ジョーカー
カードの強さ… A>K>Q>J>10>2 2をリードに使うと最強
・プレイ(省略)
・ジョーカー
 リードに使うと必ずトリックに勝つ他のプレイヤーはどのカードでも出すことができる
 リード以外では、リードされたスートのカードを持っていなれば出すことができ必ずトリックに負ける
得点 ロット宣言成功は、宣言者に10点、失敗は他プレイヤーに各5点
    ロット宣言がなければ、取ったトリック数に応じて下記の得点がつく
 トリック数   0   1   2   3   4   5 
  点 数    5   1   2   6   8   0 
終了 25点

5人ゲーム(旧ルール)
使用カード… 25枚 各スートの A、K、Q、J、10、9ジョーカー
カードの強さ… A>K>Q>J>10>9 9は常に最弱(特殊効果を持たない)
・プレイ(省略)
・ジョーカー
 リードに使うと必ずトリックに勝つリード時にどのスートをフォローすべきかを告げる
 リード以外では、どのスートがリードされた時でも出せ必ずトリックに負ける
得点 ロット宣言成功は、宣言者に10点、失敗は他プレイヤーに各5点
    ロット宣言がなければ、取ったトリック数に応じて下記の得点がつく
 トリック数   0   1   2   3   4   5 
  点 数    5   1   2   6   8   0 
終了 25点

ちょっと解説6・
 5人ゲームでは、2つの点で新・旧ルールが異なる。1つ目は4人用でも採用されている、「2をリードに使うと最強」というルールが旧版にはないという点。2の代わりに9が使われるが、9は常に最弱のカードだ。
 2つ目はジョーカーのルールが異なる点だ。ルールの違いは上記の通りだが、旧ルールでは2が使われない分、ジョーカーの効果がやや強い印象を受ける。
 私は5人用を遊んだことがないので評価できないが、草場さんは「5人で面白いトリテとして貴重」だとおっしゃっているし、作者のパーレット自身も5人がベストだと考えているようなので、ぜひ5人ゲームも遊んでみたい。

♣どちらのルールも試してみたい

 ここまで、人数別、新・旧別にルールを説明してきた。両方を挙げることで、読者の方を少し混乱させたかもしれない。しかし、文末にある「サマリー」を印刷して本文を読んでらえれば、スムーズに理解できると思う。併せて、各プレイヤーのための「得点早見表」を人数、新・旧別に4種類用意しているので、プレイの際に活用して欲しい。

 次に、どちらのルールで遊んだ方が良いかについて、私の見解を述べる。まだ比較できるほどプレイできていなので、説得力はないかもしれないが、初めてプレイする方は、4・5人にかかわらず、作者が現時点でベストと考えている、新ルールで良いと思う。特にロット宣言は新ルールの方が成功率が上がると思うのでお勧めだ。そして慣れてくれば、旧ルールでプレイしてみてはいかがだろうか?旧ルールの方がカード枚数が多かったり、特殊カードが減ることにより「運要素」が少し減って、やや上級者向けだと思う。また場合によっては、旧ルールのロット宣言を取り入れるのも面白いかもしれない。

 今回、新・旧両方のルールを紹介したのは、記事を書く際にアドバイスを下さった草場さんから「ゲームは本質的にはプレーヤーのものなので、遊ぶ人が一番面白いと感じるルールで遊んでもらうのが最善です」という言葉をもらったからだ。1ゲーム20分で終わるゲームなので、気軽に、色々試して遊んでみてはいかがだろうか。当ブログでも、ミニミゼールのプレイ記を載せていくつもりなので、時々覗いて頂きたい。
 最後に一言
ミニミゼール、めっちゃオモロイから、やってみてミゼール! 

 ルールの間違いや記述ミスなどがありましたら、遠慮なくご指摘下さい。速やかに訂正します。質問も受け付けます。また、プレイ記などを寄せていただければ幸いです。

※以下が印刷用ファイルのリンクです。
 使用に制限はありませんが、間違いがあるかもしませんので、再配布はご遠慮下さい。
 下の写真はサンプルですので、PDFファイルをダウンロードして印刷して下さい。
印刷用ミニミゼール新旧ルールサマリー(PDF・A4)(写真上)
※得点早見表は切り取ると、トランプのブリッジサイズになります。(写真下)

※追記
 当ブログにもリンクがある「杜の家アーカイブ」の別府さいさんが素敵な説明図を作られましたので、こちらも参考にしてください。【ミニミゼール・カラー説明図

2017年11月19日日曜日

第4回賽翁会 2人のピンチヒッター

 賽翁会4回目、前日の朝にとりっくまさんから連絡が入る。「飛行機のトラブルでトランプ会に参加できなくなりました。サンフランシスコです。」何を隠そう、とりっくまさんは国際派のビジネスマンなのだ(ということにしておこう)。不参加の理由が格好良すぎる(笑)。
 賽翁には4人で予約していたし、4人用のゲームをする予定だったので、急遽代役を探す。何度かデザート・スプーンで遊んだ、つっちゃんをお誘いしたところ、前半の2時間だけ参加してくれることに。後半の2時間は賽翁さんに「twipla」で呼びかけてもらう。前日の呼びかけなので無理かなと思っていたが、当日朝に参加の申し込みがあり、ほっとした。

 前半は、つっちゃん、ンヌさん、ンヌjr君、私の4人。ルールの簡単な【ハーツ】からスタート。ハーツは切札なしのトリックテイキングゲームで、ハート1枚につきマイナス1点、スペードのQ(ブラックレディ)は1枚でマイナス13点。それらの失点を取らないようにするゲーム。しかし失点カードを1人で全て取ると、失点合計26点を自分以外の3人に取らせる「シュート・ザ・ムーン」という逆転のルールがある。

 ルールはシンプルだが、ンヌjr君がシュート・ザ・ムーンを成功寸前という所まで、2度も迫ったり、ンヌさんがずっと出せなかったブラックレディを、最終トリックでリードしたり等、今回も毎ディール、ドラマが起き、楽しいゲームになった。


 つっちゃんは初参加だが、ボードゲーム系のトリックテイキングに慣れていて、ハーツにもすぐ馴染んで楽しんでくれたようだ。何度もブラックレディが手札に来る悲劇や「つっちゃん、がんばってどんどん取ってはるね。スタートプレイヤーになるゲームと勘違いしてるんちゃう?」等というキツイ突っ込みにも負けず、笑顔でプレイしていたのが流石だった。これに懲りずにまた遊びましょう!

 8ディールプレイして、いつもより無口だったンヌさんの勝利。めっちゃうれしそうやった。ンヌjr君は2度のシュート・ザ・ムーンの失敗がきつかった。
(結果/ンヌ:-28 自転車人:-29 つっちゃん:-71 ンヌjr:-79)

 ハーツが終わったところで、つっちゃんが抜け、twiplaの呼びかけで来てくれたアオネコさんにバトンタッチ。もちろん初対面のはずだったが、どこか見覚えのある顔…。少しずつ記憶がよみがえってくる。
 「以前、ゆうもあ大阪で、一緒にトランプしたことない?」。話をしていると、7年前、彼の中学時代に「掛合トランプ」という、日本に古くから残っているトリックテイキングゲームを一緒にプレイしていたことが判明。「掛合トランプ」のルールや歴史を独学で調べ、「掛合トランプをやらせて欲しい」と単身でゆうもあ大阪のゲーム会に乗り込んできたのだ。
 その時に彼が持ち込んだ、びっしり書き込まれたノート、ボロボロのバイスクルがとても印象的だった。そのノートとトランプの写真が保存してあった。(写真下)


  そして7年後に現れた22才のアオネコさんもやはり手書きノート持参だった。(写真下)


 トランプ好きの中学生が、今、成人になって、私の呼びかけた会に顔を出してくれるとは…、時間の流れと偶然の不思議さに驚く。
 と、おっさんがいつまでも感慨にふけっていても、時間がもったいないので(笑)、彼がやりたいという【シャーフコップ】をプレイすることに。


 最近よくプレイしているシャーフコップは2対2のペア戦で、ドイツで盛んにプレイされている。毎回パートナーが変わり、そのパートナーがゲームの途中までわからない、正体隠匿系のトリックテイキングゲーム。QとJの全てが切り札という変則で、ゲームに馴染むのに少し時間のかかるのが難点だが、慣れれば面白いゲーム。アオネコさんは、このシャープコップを調べている時に私のツイッターを見つけたということ。ルールも正確に把握されていた。

 ンヌさんもンヌjr君も前回やっているので、ルール説明は短めにしてさっそくプレイ。アオネコさんは盛り上がってくると「クロイツ!」等とドイツ語を発しながらプレイ。それを真似てンヌさんや私が訳もわからず「クロイツ!」。そしてクロネコさんが独学で習っているという、エスペラント語も飛び出し、なんだかよく分からない会話に大笑い。
 また計算が早く、面倒なシャーフコップの得点計算を、ささっとやってくれるので助かった。5ディールプレイして、アオネコさんとンヌさんが、なぜか必ずペアになり同点。最終で果敢にソロに挑戦したンヌjr君が少し及ばす失敗。でもその勇気は素晴らしい。
(結果/アオネコ:8 ンヌ:8 自転車人:4 ンヌjr:3)

 最後に、第1回の賽翁会でプレイして人気だった【ミニミゼール】を。ミニミゼールはカードを24枚だけ使用するミニゲーム。切札なしのトリックテイキングゲームで、6トリック中全くトリックを取らないか、6トリック中5トリックを取ると点数が高い。しかし6トリック全部取ると0点という、ちょっと変わったゲーム。


 カード枚数、トリック数が少ないので、ゲームはサクサク進む。得点の構成上、毎回誰か1人は必ず負ける。全員がそこそこ勝つ平和なゲームではないので、盛り上がる。最初のゲームでは25点で終了というルールを忘れていて、余分にやってしまう。それでも1ゲーム20分くらいで終わったので、もう1戦。

 2戦目は全員このゲームに慣れてきて積極的なプレイ。普通は全トリックを取ってしまうと0点なのだが、最初に「ロット」という宣言をして成功すると高得点になるので、5ディール中3ディールがロット宣言という展開に。しかし、宣言してしまうと他3人からマークされるので成功は難しい。アオネコさん2回、ンヌjr君1回のロット宣言は全て失敗。でも失敗する方が盛り上がるんだよな~。下のイラストはその時の模様。

アオネコマサル/Triumfo作 無断転用禁止
(結果/1戦目 ンヌ:40 ンヌjr:26 アオネコ:22 自転車人:22)
(結果/2戦目 ンヌ:30 ンヌjr:28 自転車人:21 アオネコ:20)

 とりっくまさん欠席でどうなるかと思ったが、2人のピンチヒッターのおかげで楽しい会になった。そして見逃せないのが、今日のンヌさんの強さ。全勝だった。今日の会の始めには「勝率が低い」ことを気にしていたのだが、会の終わりには「勝ち負けより、次にまた遊んでもらえる仲間との出会いが大切なんですよ」という余裕のコメント。

 つっちゃん、アオネコさん、また遊びましょう!

2017年11月11日土曜日

スカート始めよう会

 ぱぶり家では初めての主催会。以前ぱぶり家のゲーム会でお世話になった、サンジィさんが「スカートを覚えたい」というので、「スカート講習会」として開くことに。また、一緒にトランプをしましょうと、以前から声をかけていた、かぶけんさんにも参加して頂く。それに加え、apricatさん、私の4人が今回のメンバー。
 サンジィさんはトリックテイキング好きで、ハーツやウィザードが好み。かぶけんさんは、神戸での1回目のトランプ会に参加されたかったらしいのだが、都合で不参加。それを後で知り、いつかはお誘いしたいと思っていたので、今回、それを果すことができた。

 ぱぶり家は2階建て。1階は別の会(映画研究会)が使用していたので、私たちは2階へ。麻雀用のマットを敷いてプレイ開始。
 まずは、色々なところでプレイしている【シャーフコップ】を。
 スカートの元になったゲームなので、これを覚えてもらうと、スカートの理解も早いのではないかと選択した。もちろん単独で遊んでも面白いゲームだ。


 シャーフコップは2対2のペア戦。毎回パートナーが変わり、そのパートナーがゲームの途中までわからない、正体隠匿系のトリックテイキングゲーム。QとJが全て切り札という変則。
 ちょっとややこしい部分もあるが、いつものリファレンスも功を奏し、スムーズに遊ぶことができた。トランプ好きのかぶけんさんからは「これは一日中やってられるやつや」と高評価。
 やはり誰がパートナーか疑心暗鬼になるのは楽しいし、ビッドもないのでシンプルに遊ぶことができた。今回は皆から「師匠」と呼ばれているapricatさんがソロで勝ち、その後も勝利を重ね1位に。
(結果/apricat:10 かぶけん:-2 サンジィ:-4 自転車人:-4)

 シャーフコップの後、コーヒーブレイク。かぶけんさんからは「なかよし村」でスコポーネをプレイした話や、ゲーム作家としての苦労話等を興味深く聞いた。また、サンジィさんの飼っているヘビの話をきっかけに、それぞれの家庭のペット話で盛り上がる。雑談もまた楽しい。

 その後、本日のメインイベント【スカート】に。実はスカートをインストするのは初めて。それなりにリファレンスを用意したのだが、説明するのがとても難しいことに気付く。もっと色々な資料を用意しておくべきだったとか、説明の段取りをもっと考えておけば良かったと後悔するくらい、うまく説明ができなかった気がする。それでもプレイしましょうと、ディーラー抜け方式で11ディールほどプレイ。


 私の拙いインストにもかかわらず、初参加の2人は勇気を出してソロイストになっていたし、一通りのルールは理解してもらえたような気がする。ただ「楽しんでプレイする」ところまでは行かなかった。ちょっと消化不良になって申し訳なかったが、サンジィさんが別の用事があって抜けることになり、ここでスカートは終了。

 ただ、お2人とも「これからアプリで練習する」とか、かぶけんさんは「僕はボロ負けしたゲームに逆にハマるんや」と言ってくれ、ちょっとホッとした。次からスカートをインストする時はもう少し慎重に、また時間配分も考えなければ等々、学ぶことも多い会になった。

 3人になったところで、かぶけんさんに持ち込みをお願いしていたアニマルズをプレイ。以前から気になっていたゲームで、多分apricatさんも気に入るのではと思っていたが、まさにそうなった。


 最初の1ディール目はちょっとモヤモヤしていたが、2ディール目以降は勘所もわかり、とても楽しめた。やはりというべきかapricatさんが強く、途中からは、かぶけんさんとデットヒート。自分ももう少しというところまでいくのだが、うまくいかず惨敗する。でも本当に面白く、2時間近くプレイした。もっとこのゲームが売れて、沢山の人にプレイしてもらいたいと思う。
(結果/apricat:67 かぶけん:41 自転車人:5)

 もう少し遊びたかったのだが、2階も別グループで溢れてきて、クリスマス会の準備まではじまったので、私たちはここで退散。1階でも多くの人が集まって楽しそうに過ごしていた。この雑多な感じが、ぱぶり家らしいなあと納得。
 また、このメンバーで遊びたいな!

2017年11月3日金曜日

京会にやういちさんが!

●京のボードゲーム会 第25回


 前日に、さいさんの杜の家で開かれた「トリックテイキング・ゲームの会 vol.2」に参加していたやういちさんに「せっかく九州から京都に来てるんやったら、一泊して次の日に京のボードゲーム会に来てくださいよ」とお願いして来てもらう。約半年ぶりの再会。こんなに早く再会できると思っていなかった。

 前夜に「【ポートランド】をやりましょう」と相談していたので、家にあるトランプをかき集めて持ってくる。ポートランドはクニツィア作のトランプゲーム。各自1デッキ(52枚)を持ち、それぞれに5枚のポーカー役を作って比較する。6ラウンド制で、ラウンド終了毎に使った手札を捨て札にする。1ラウンドに使えるカード枚数に制限はないが、補充がないので、強い役を作ろうとカードを使いすぎると、最後にはカードが足りなくなるので引き際が大切。


 9人でプレイ。やういちさんのインストでスムーズに進む。全員、割と冷静で、最終ラウンドにカードが無いという人はいなかった。ただ、私を含め何人かは途中で役にこだわり、最終ラウンドに手札が少なくなる人も。
 特にフラッシュやストレートは、崩れると何の役もないので、ついつい、あと1枚、あと1枚とひいてしまう。中々あきらめがつかないのだ。しかし、計画的で引き際の良かった人は、点数が高くなる最後の方のラウンドでフルハウス等の強い役を作り、高得点を稼いでいた。
 トップになったのは他のゲーム会の主宰をしているMさんで116点。2位が110点、3位が103点と好勝負だった。ポートランドは盛り上がるね!

 昼食はさながら「やういちさんを囲む会」の様相。私が「九州からゲームをするために京都までよく来ましたね」とつっこむと「交通費を考えていたら、行きたいところに行けない」という答え。確かにそうだ。
 また、先月末に草場純さんと行った多良木町の球磨拳(くまけん)大会の話を聞かせてくれたり、具体的な球磨拳(じゃんけんの変形のようなもの)のやり方を実演してくれた。皆、興味深そうだった。

 次に、Trick Taking Partyゲーム賞を取ったアノウというゲームを教えてもらう。この頃になると、やういちさんの人柄も伝わり、インストの時にやういちさんが「あのう」という度に笑いが起きる。特に1人の女性のツボにはいってしまい「あのう」という度にゲラゲラ笑うので、インストが頭に入らない(^_^;)。


 素直なトリックテイキングゲームだが、2位を取ると2枚取らされるのがキツイ。マイナスペナルティーも厳しく、なかなか点数が伸びない。3ディールやって、常連のTさんが20点でトップだった。ルールはシンプルだし、主催会でもやってみようと思う。

 夕方になり、福岡に帰ろうとしていたやういちさんを引き留め、【ムス】に付き合ってもらった。ムス(Mus)はスペインの国民的人気ゲーム。apricatさんにすすめられ、スマホのアプリでやり始めた。面白いので対人でやってみたかった。
 たった4枚の手札の「大きさ」、「小ささ」、「ペア」、「ポイント」の4つをポーカーのようにビッドで競うゲーム。2対2のペア戦で、最後まで手札を公開せずにビッドを行うので、ブラフ、ギャンブル要素もある駆け引きの重要なゲームだ。


 最初に配られた4枚の手札は全員が同意する限り、枚数・回数の制限なく交換することができる。交換するときに「ムス」と言うのでこのゲーム名がついている。
 交換が終わると、先に挙げた4つの項目でそれぞれビッドを行う。手札を見せずにやるので、実際に負けていてもビッドで勝つこともできるし、その逆もある。手札公開時に「わぁ、大きさはこっちが勝ってたんか。もっと強気でいってたら良かった」等の声があがる。

 30点を1ゲームとして数ゲーム行う。最初のゲームでは30対21で私のチームがすんなり勝つ。そのまま行けるかと思っていたが、2ゲーム目ではやういちさんのチームが31対9で大勝。次が決着戦だったが、ここで時間切れ。次に会うときに決着戦をやろうと誓う。



 やういちさんのおかげで、いつもの会とは少し違った感じで楽しめた。また来てちょうだい!
 ボードゲームでは、EXIT、人喰い屋敷、リカ―――リング、ティチュー、ケララを遊んだ。
 楽しい一日だったゾウ!

2017年10月15日日曜日

第3回賽翁会 おせっかいおばさん?

 賽翁会も3回目。メンバーはいつもの4人で。
 とりっくまさんがKickstarterで買った、Air Deckというトランプを持ってきていたので、見せてもらう。防水のため水辺でも遊べるし、細身なのでカバンに入れても邪魔にならない。とりっくまさんは登山が好きなので、山小屋やテント等でこのトランプで遊ぶつもりらしい。色もデザインも良く、私も欲しくなった。


 ゲームは【アゴニ―アント】からスタート。アゴニ―アントは「人生相談の解答おばさん」という意味らしい。先日やったミニミゼールと同じく、デビッドパーレット作のトリックテイキングゲーム。切り札なしでマストフォローのシンプルなゲームだが、取ってはいけないトリックの条件がいくつかあり、それを取ってしまうと自分の持っているチップを出さなければいけない。
 その条件は各スートのQ、最終トリック、最多トリック等9つある。最初に各自17枚チップが配られ、誰かがそれを使い切ったらゲーム終了。


 写真はとりっくまさんが用意してくれたボード。このボードのおかげで、とてもプレイしやすかった。デザインも素敵。
 私は「取ってはいけない」ゲームが弱いのか、4ゲーム目あたりで、チップが数枚しか残っていない。挽回を狙ったが「取ってはいけないと思えば思うほど、どんどん取ってしまう病」にやられて撃沈。それに対し、とりっくまさんが無傷の勝利。負けはしたが、面白いゲームだったので、再戦希望。
(結果・残りチップ/とりっくま:17 ンヌjr:14 ンヌ:10 自転車人:0)

 賽翁会は13時から17時の4時間で遊んでいる。今日は途中のブレーク時間にンヌjr君が持ってきた「そのまんまコーラ」というお菓子を食べた。袋に入っている3つのうち1つだけとても酸っぱいものが入っていて、それを誰が食べるかを楽しむというもの。
 結局スカをひいたのはンヌjr君で、顔をゆがめて食べているのが面白かった。こういう小学生っぽい遊びも楽しい。


 次は、先日の京都のゲーム会でもプレイした【シャーフコップ】を。
 詳しいゲーム内容等は別の記事にするつもりだが、最近の私のお気に入りで、賽翁会のメンバーとも是非やってみたかった。
 シャーフコップは2対2のペア戦。毎回パートナーが変わり、そのパートナーがゲームの途中までわからない、正体隠匿系のトリックテイキングゲーム。QとJが全て切り札という変則で、ゲームに馴染むのに少し時間がかかるが、慣れればめっちゃ面白いゲーム(だと自分では思っている)。
 案の定、ンヌjr君を始め、メンバー全員すぐにルールを理解しゲームを楽しんだ。特にパートナーが判明するまでは疑心暗鬼で「こいつワル組ちゃうか」などと牽制しあってプレイするのが面白い。


 基本的にはパートナーゲームだが、自分の手札が良ければ1対3で勝負する(ソロゲーム)ことができ、ソロで勝てれば点数も大きい。8ディールプレイしたが、ンヌjr君ととりっくまさんがソロゲームで勝ち、1位2位を争った。
(結果/とりっくま:19 ンヌjr:13 自転車人:7 ンヌ:4)


 最後に、ンヌjr君のリクエストで、ダンジョンオブマンダムというカードゲームを少し。
 シンプルなチキンゲームで、短い時間で何度も遊べて面白い。私も以前やったことがあるのだが、すっかりルールを忘れていて、最後のゲームがちょっと微妙になってしまって申し訳なかった。

 トランプゲームでは2戦とも、とりっくまさんの勝利、ンヌjr君の2位で終わった。
 しかし、どんだけ強いんやこの小学生!?

2017年10月9日月曜日

熱くなるギャンブルゲーム

●京のボードゲーム会 特別回


 京のボードゲーム会は、朝10時~午後4時30分開かれている。今日は朝から始めたゲームが早めに終わり、昼食まで少し時間ができたので、8人で【レッドドッグ】を。
 レッドドッグはギャンブルゲーム。インサートと呼ばれるゲームを改良したもので、カジノで遊ばれているらしい。ルールは単純で、最初に配られた2枚の札の数字の間に、後から配られる1枚の札が入るかどうかを賭けるもの。
 例えば最初の2枚の数字が2と7だった場合、3・4・5のどれからなら勝ち、それ以外なら負けだ。もし手札が2とQだったら、3~11ならどれでも勝てる。ただその間の数の大きさによって、倍率が違う。例えば間が4以上開いていれば倍率は1、間が1つしか開いていなければ倍率は10になる。
 

 ギャンブルゲームといっても、オープンゲーム会なのでお金は賭けずにチップだけ賭けて遊ぶ。それでも段々熱くなってきて面白い。コツコツ慎重に稼ぐ人、興奮して立ち上がり大きく賭ける人、性格も出て面白い。また間が大きく開いていても、その間の数字が来ないこともあり、計算通りにはいかない。
 誰かが破産するところでゲームをやめるのだが、終了直前、手札が9とJだった私が勝負に出て、配られたたカードが10(上写真参照)。見事大金持ちになって勝利。ちょっと気分が良かった。



 トランプでは99やハーツを合間に少しプレイし、ボードゲームではGhost Chase、コード破り、コードネーム、リカーーーリングを遊び、満足のゲーム会だった。

2017年9月30日土曜日

ハンガリーのスカート?

 スカートともう一つ、とりっくまさんがやりたいと言っていたゲーム【ウルティ】。
 ウルティはハンガリーで人気のトリックテイキングゲームで、ドイツのスカートと同じく3人専用。カード構成も同じで、ルールも共通点が多い。ビッドをしてゲームという流れや2枚の伏せ札を使うこと等、まさにハンガリーのスカートという感じだ。

 スカートと違うのは、2枚の伏せ札を手札に入れ、自分の不要なカード2枚を捨て札にして次のプレイヤーに回したり、ビッドが一巡ではないところだ。ボードゲームのセブンワンダーのようなカードドラフトのおかげで、自分の手札を強化することもできるし、他人の捨て札を見て、そのプレイヤーの手札を推測することもできる。
 やはり非常に複雑なゲームなのだが、スカートを理解しているとなんとかプレイできるゲーム。それを前回のスカート3人組でプレイすることになった。


   なぜウルティか。それは「トランプゲーム大全」という、トランプゲームのバイブルのような本の著者が、このゲームを推薦しているからだという。とりっくまさんもapricatさんもこの本を持っているので、共通認識らしい。ちなみに私はこの600P強の本を持っていない。信心深さが違うのだ(笑)。
 とりっくまさんは「トランプゲーム大全のゲームを遊びつくす」のが目標の一つだという。そういう目的でトランプ会を催すのも面白い。私も付き合いまっせ、とりっくまさん。

 さて、今回は梅田のとある貸会議室でプレイ。トランプさえあれば遊べるので、机と椅子だけの部屋で十分だ。


 ウルティはスカートのようなアプリがないので、私ととりっくまさんは初プレイ。しかしapricatさんは、以前オンラインでこのゲームをやったことがあり、インストを兼ねてプレイ指導をしてくれた。ルールブックだけは分からないところも知ることができ、ありがたかった。
 9ディールプレイしたが、捨て札をどうするか等の悩みどころも多く、ビッドも非常に考えられていて、何度も「これはすごいゲームや」と口にしていた。ゲーム結果はapricatさんが終盤取戻したものの、序盤のオープンベトリ(手札を公開して全トリックをとらない)の失敗がひびき、コンスタントに勝っていた、とりっくまさんの逃げ切り勝ち。
(結果/とりっくま:16 apricat:-8 自転車人:-8)

プレイ後のとりっくまさんのツィート引用:トランプゲームのウルティを遊びました。ビッドする度に手札が変わるところが新しい。今までやった中で一番面白いトランプゲームです


 最後に前回の復習として【スカート】を5ディール。今回も最初から好調のapricatさん。4ディールで目で意を決してソロイストになった私に対し、残りの2人が絶妙のコンビネーションで防御。私を破ったときの2人の笑顔、憎たらしかったなぁ。ぐっと奥歯を噛みしめ、リベンジを誓ったのである。
(結果/apricat:201 とりっくま:0 自転車人:-36)